未分類

自宅でPCR検査(DNA抽出、PCR反応編)

なぜPCR検査を自宅でやろうと思ったか

PCR検査は新コロナウィルスの検査方法としてニュースでよく見るようになりました。学生実験でPCRを教えてもらった際に、非常に簡単な実験であり、”自分の家でもできそうだな”と思ったのを覚えており、PCRという言葉が身近になったこの機会に検討してみることにしました。新コロナウィルスに感染した疑いが出た場合、病院に行く前に自分で検査して感染の判定ができるようになりたいです。

PCR検査とは(歴史、原理)

ポリメラーゼ連鎖反応(ポリメラーゼれんさはんのう、英:polymerase chain reaction)は、DNAサンプルから特定の領域を数百万〜数十億倍に増幅する、分子生物学の分野で広く使用されている一連の反応または技術である。英語表記の頭文字を取ってPCR法、あるいは単純にPCRと呼ばれる場合が多い。

出典:ポリメラーゼ連鎖反応(wikipedia)

開発者はキャリー・マリス博士であり、個性的な人物であることで知られている。1993年にノーベル化学賞を受賞されています。

[キャリー・マリスの自伝、アマゾンリンク]

準備物

今回は、高校など使用することを前提に作られた教育用のキットを使用します。以下に必要な備品をリストアップします。

道具

  • マイクロピペット(5μl)
  • マイクロピペット用チップ
  • 廃棄チップ入れ
  • 油性マジック
  • 氷水
  • マイクロチューブ(1.5ml)

試薬

  • 消毒用エタノール(70%程度)
  • Dr. ジーン7 植物多型解析PCRキット

装置

  • 遠心分離機(自作)
  • サーマルサイクラー(自作)

参考にしたリンク

  1. 岩手県総合教育センター資料
  2. Dr. ジーン7 植物多型解析PCRキット「取扱説明書」
  3. Dr. ジーン9 アガロースゲル電気泳動セット「取扱説明書」

実験方法

実験を始める前に

  • 部屋の窓及び扉は閉める。
  • 石鹸で手を洗う。
  • 滅菌用 70%エタノールで作業台を拭く。

DNA抽出

“Dr. ジーン7 植物多型解析PCRキット”を使用してDNAの抽出を行います。

1.4本のマイクロチューブにそれぞれNC(ネガティブコントロール)、C(コントロール)、S1(植物試料1)、S2(植物試料2)と記載する。
※「NC」(ネガティブコントロール)では、DNA が混入していない水を PCR 反応に用いることで、調製する反応液中に他の DNA が混入していないか確認するためにおこないます。「C」(ポジティブコントロール)では、PCR 反応が成立することが分っている DNA を鋳型に PCR 反応を行い、実験が成立していることを確認するためにおこないます。

2.”NC”と記載したマイクロチューブに”希釈S(希釈用H2O)”を5μl入れる。
3.”C”と記載したマイクロチューブに”コントロールDNA”を5μl入れる。
4.試料用のマイクロチューブ(S1、S2)を調製する。
(1)採取した植物試料を水で軽く洗い、水気をふき取る
(2)5mm角に切り取り(穴あけパンチを使うとよい)、”抽出S(抽出バッファー)”のチューブに入れる。
(3)サンプルマッシャーで植物片をつぶし、溶液に色が付く程度に粉砕する。
(4)サンプルマッシャーで植物片を抽出Sのチューブの奥に押し込む。
(5)抽出Sの上澄みを5μlとり、希釈Sに入れてよく混和する。
(6)希釈Sチューブの溶液をマイクロチューブ(S1またはS2)に5μl入れる。

マスターMix(PCR反応液)の調製

1.以下の試薬を氷上に置き、融解していることを確認する。”マスターMix”のチューブには 4.5 反応分の調製に必要な量(135 μl)の水が入っているため、今回は4.5 反応分のマスターMix をまとめて調製します。

  1. マスターMix
  2. dNTP
  3. PCRバッファー
  4. Fw
  5. Rv
  6. Taqポリメラーゼ

2.”マスターMix”のマイクロチューブを氷上に置き、②~⑤をそれぞれ添加する。
3.”マスターMix”のマイクロチューブに⑥Taqポリメラーゼを添加し、よく混和すると”マスターMix”の完成です。本来はボルテックスミキサーを使用して十分に混和することが望ましいのですが、今回はピペッティングで混和します。
4.4種類のマイクロチューブ(NC、C、S1及びS2)に調製した”マスターMix”を45μlずつ入れる。

PCR反応

自作のサーマルサイクラーを使用してPCR反応を行います。

1.反応条件は以下の通り。②~④を35回繰り返します。

  1. 94~98℃:120秒
  2. 94~98℃: 10秒
  3. 52℃   : 10秒
  4. 72℃   : 30秒
  5. 72℃   :120秒
  6. 4℃    :300秒
  7. 氷上にあげる。

電気泳動は”自宅でPCR検査(電気泳動編)”で解説します。